ドラゴン・ノスタルジア
父は私に語り出した。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※
18年前。
さくらは1歳になる直前の年末に大病を患い、命を落としそうになった。
医者は全て休業中。
運が悪い事に緊急病院も全てやっておらず、急激な体調の悪化でさくらは亡くなる寸前だった。
途方に暮れた我々が神社に立ち寄り、拝殿で最後の神頼みをしたその時。
久遠様と奥様、奥様の腕の中にいる大地の3人が突然、目の前に現れた。
「どうしたのです」
久遠様が、我々に声をかけた。
「神様…?」
光り輝く彼らを見て、すぐに我々は
人間ではない存在だと悟った。
奥様の腕の中には、ピンク色の髪をした赤ん坊の大地が、すやすやと眠っていた。
「助けてください!…娘が死にそうなんです…!」
桃が叫ぶと奥様は心配そうに、さくらの顔を覗き込んだ。
「まあ、可哀想に…!」
すると大地が目を開き、さくらを見た。
瀕死の状態だったさくらも目を開け、大地を見た。
「…この子!」
奥様は大地を見て驚き、息を飲んだ。
大地の目は、薄い緑色に輝いた。
「この色…はじめてよ!」
奥様と目を見合わせた久遠様は、こう仰った。
「このお嬢さんの命を、救いましょう」
「…ありがとうございます!」
「そのかわり、約束してください。このお嬢さんを、必ずこの私の息子と結婚させる事を」
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18年前。
さくらは1歳になる直前の年末に大病を患い、命を落としそうになった。
医者は全て休業中。
運が悪い事に緊急病院も全てやっておらず、急激な体調の悪化でさくらは亡くなる寸前だった。
途方に暮れた我々が神社に立ち寄り、拝殿で最後の神頼みをしたその時。
久遠様と奥様、奥様の腕の中にいる大地の3人が突然、目の前に現れた。
「どうしたのです」
久遠様が、我々に声をかけた。
「神様…?」
光り輝く彼らを見て、すぐに我々は
人間ではない存在だと悟った。
奥様の腕の中には、ピンク色の髪をした赤ん坊の大地が、すやすやと眠っていた。
「助けてください!…娘が死にそうなんです…!」
桃が叫ぶと奥様は心配そうに、さくらの顔を覗き込んだ。
「まあ、可哀想に…!」
すると大地が目を開き、さくらを見た。
瀕死の状態だったさくらも目を開け、大地を見た。
「…この子!」
奥様は大地を見て驚き、息を飲んだ。
大地の目は、薄い緑色に輝いた。
「この色…はじめてよ!」
奥様と目を見合わせた久遠様は、こう仰った。
「このお嬢さんの命を、救いましょう」
「…ありがとうございます!」
「そのかわり、約束してください。このお嬢さんを、必ずこの私の息子と結婚させる事を」