ドラゴン・ノスタルジア
 カシャは不気味な笑い声をあげながら姿を消し、シキミはそれに続いた。

「嫌な思いをさせて、ごめん」

 大地は、みんなに謝った。

「いや。…それより、ここはどこだ?お前らは人間じゃ無いのか?」

 凌太に聞かれ、大地は頷いた。

「俺はドラゴンと人間のハーフだ」

「…うそ!」

「本当。二人と梅は、鳳凰だ」

 レニは変身し、セイランに似た鳳凰に姿を変えて羽ばたいた。金色が梅、セイランは青、レニは赤く燃える炎の様な色をしていた。

 それを見た全員がまた、仰天した。

「…すげえ!まだ信じられない…!これは夢か?」

「…どうしてみんな、人間に変身してるの?」

 りっちゃんが聞くと、大地は答えた。

「ここの生徒達は、人という生き物を知るために、人になりきって授業を受けているんだ」

 みんなは螺旋階段を登りながら、不思議そうに目を見合わせた。

「シキミはここの生徒だけど、もう人の姿では会えないかも知れない。親があの通り、人間嫌いだし」

 そう言った大地の横顔は、少し寂しそうだった。





 階段を再び登って大きな広間に着くと、様々な年齢の40人くらいの生徒達が、一斉にこちらを見た。


「大地先生!」


和音(ワノン)、みんな」


 大地が私達を紹介してくれた途端。


 生徒達は目を輝かせ、私達6人を見て叫んだ。



「キャーーーーー!」





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