ドラゴン・ノスタルジア
 2人は、バスケットボールを手に持っていた。

「大地!これのルールを教えろ!」

 青い長髪を束ねた海流は、大地に向かって大声で怒鳴った。

「呼び捨てにするな、『先生』と呼べ!」

 大地が怒鳴り返すと、ツンツン尖った金髪の空蓮はもう一度、豪速球で大地にボールを投げつけた。

 大地がひらりと避けたので、ボールは轟音を立てて壁に当たった。

「俺はルールを知らん」

 壁には、大きな穴が開いていた。

「教えないとガッコウ辞めさせないからな!」

 それを聞いたバスケ部出身の凌太が、二人に声をかけた。

「教えてやろうか?それのルール」

 二人は目を輝かせた。

「教えて『リョータ』!」

「『凌太様』だ!」

 凌太はボールを受け取ると、鮮やかなフォームでダンクシュートを決めた。

「…すげえ…!」

 二人の目がきらきらと、輝いた。


「『凌太様』と呼べば教えてやる!」


 二人の呼び方は変わらなかったが、凌太が教えると彼らはすぐに、バスケットのルールを習得した。


「あの子たち、もう凌太に懐いてる!」


 4人でバスケをしている姿は、見ているこちらまでワクワクして来る。



「…みんな楽しそう!」
 


 カッコ良過ぎて思わず、
 未来の旦那様を、目で追ってしまう。




 もし、大地が同じクラスだったら



 間違い無く人気者だっただろうな。


 
< 37 / 60 >

この作品をシェア

pagetop