ドラゴン・ノスタルジア
孤高のドラゴン
 風の音が、遠くに聞こえる。





 さっきまで、下へ下へと急降下していたため息が出来ず、空気が肌を切り裂く様に、纏いついてたはずなのに。






 今は静かで、息も出来る。






 私は、少しずつ目を開けた。





「…………?」






 ここは、どこだろう。






 とても狭くて、あまり身動きが出来ない。







 …木の香りがする。








 壁の穴から、輝く何かが見える。







 遠くの闇の中に、巨大な白い大鳥居がある。







 ……ここは、岩時神社?







 私の体は、固い木の上に横たわっていた。






「…………?!」





 ふと横を見ると同じ場所に、ピンク色の柔らかそうな髪をした、6歳くらいの少年が、上を向いて眠っていた。





「………大地…?」





 返事は無い。





 小さな男の子だけど、大地に間違いない。






「…………大地」





 その子の手に、そっと触れてみた。





「…………ん」






 その子は、ゆっくりと目を覚ました。






「………誰…?」






「…………さくら」







「……さくら…?」







 ゆっくりと目を覚ましたその子は、私と目が合った。






「…………これは、夢………?」




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