ドラゴン・ノスタルジア
 小さな大地は、目を丸くして私を見つめた。







「…………?」








「だってあなたは、これからたくさんの人を、笑顔にするんだもの」








「…………うそだ」









「本当よ。お嫁さんももらうのよ!」







 誰がお嫁さんなのかは、内緒にしておくけど。








「おれが…………?」










「うん。もしかしたら、あなたの子供にもいつか、会えるかも知れない!」









 小さな大地は、さらに目を大きく見開いた。







「あなたは桜の花びらをね、こう…………パアアッ…………!ってね?」






 私はジェスチャーで、あの時見せてくれた大地のポーズを真似して見せた。









「…………う、うん…………」








「こう…………手を空の方に伸ばして…………」








「…………?」









「パアッ!!!!…………って、開くと…………」










 私の様子がおかしかったのか、小さな大地は少しだけ笑顔を見せてくれた。











「桜の花が、ワーーーーーッ!!!…………って咲くの!!!」







 大地は笑った。






「わ、ははは!!……お前、ヘンタイっぽい!!!」







 彼の頬から、涙が一筋こぼれ落ちた。




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