消えたい俺と犬
で、まぁ……父さんと母さんは離婚して、俺を引き取った父さんは、今の義母さんと再婚したって感じ。

「……俺は、この家族に馴染めるんだろうか……？」

俺が呟くと、ベーコンは、ちょこんと俺の足に乗って、俺を見つめる。ここにいても良いよ、と言っているような気がした。

「……そう……だよね。ありがとう、ベーコン」

俺は、微笑んでベーコンの頭を撫でる。

「……さぁ、今日は寝よっか。明日は、早いから」

そっとベーコンを下ろし、俺は布団に入った。

気が付けば、俺は眠りに落ちていた。



「ただいま……」

ベーコンの散歩から帰ってきた俺は、リードを外す。

大分、犬のお世話の仕方が分かってきた。まだ、行動とかで犬の気持ちは読み取ることが出来ないけど。

だって、今まで犬なんて飼ったことなんて無いし。しかも、まだこの家に来て数週間だし？

「わん！」

ベーコンは、リビングまで走っていった。それにしても、ベーコンは走るの速いよな。運動が得意な俺でさえ、ついていけない。

「あ、おかえり。お義兄ちゃん……もう、朝ごはん出来てるよ。ベーコンの散歩、ありがとね」

義妹の紗奈(さな)が、俺に向かって微笑む。

「……ん」

俺はリードを片付けて、リビングに向かった。
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