goodbye青春
教室に入り最後の朝のホームルームが終わると、卒業式が始まるまで時間があるため、私たちは卒業アルバムにメッセージを書いてもらおうと忙しくみんな動き出しました。もちろん、私も同じです。

「ごめん!これ書いて!」

「ありがとう〜!!」

どこのクラスからもそんな声が飛び交っていました。私も、他のクラスにいる友達やクラスメートに書いてもらい、白紙だったページは少しずつ文字で埋まっていきます。それが嬉しかったり、寂しかったり、心にある感情は複雑でした。

「じゃあ、今からコサージュ取りに来て〜」

担任の先生がそう言い、私たちは教卓に集まります。先生が一人ずつ胸ポケットに黄色い花のコサージュをつけてくれました。

コサージュの色は、クラスによって違いました。私たち二組は黄色で、一組はピンク。三組は青い花でした。

コサージュをつけ終えた後、私たちは体育館の横に移動しました。その時にすでに泣いてしまっている子もいて、目の前がぼやけてしまいそうなのを何とか堪え、体育館に入場します。
< 2 / 10 >

この作品をシェア

pagetop