俺様天然男子
そもそも、人付き合いは苦手だ。



年上と話すとか、どうしたらいいかわからない。



「よし、こんなもんでしょ」

「はい…」

「理音くんって高2だっけ?」

「そう、です…」

「デカイよね。何センチ?」

「185…だと…」

「羨ましいねぇ。俺もそれくらい欲しかったなー」



庄司さんはいい人だった。



気さくに話しかけてくれて、フォローしてくれる。



「初日なのに…人が入るんですね…」

「この辺、レンタルスタジオないからね。かなり噂にはなってたみたいだし。今なら会員登録すると1時間の無料券着いちゃうしね」

「そうですね」

「登録だけのお客さんも結構いたみたいだよ」



そうなのか。



もっとヒマなバイトかと思ってたのに…。



「理音ー、電話鳴ってるー」

「あっ、はいっ‼︎」



お客からのコールは、アンプの使い方がわからないということで。



緊張しながら教えに行き、バイトが終わる頃には緊張疲れで倒れそうになった。




でも、少し…楽しかった。



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