俺様天然男子
まだ来てないふたりを待つために、隣に並んで壁に寄りかかる。



正面から見れない…。



「今日、暑いね」

「そ、そうだね…」

「雛森のうちって、この近く?」

「そう、だよ‼︎理音くんちは…ここだと電車…かな?」

「うん。ってか…緊張してるの?」

「しっ、してるっ…です…」



だって、こんなカッコいい姿で来ると思わなかったんだもん‼︎



ベージュの大きめのTシャツに、中は少しだけ見える白のTシャツを合わせていて。



細身の黒いパンツに、ハイカットのスニーカー。



ねぇねぇ、ネックレスとか、ブレスレットとか、その時計とか‼︎



なんでお洒落なんだよぉ‼︎



どっから見ても、学校の理音くんと別人じゃん‼︎



「あっ、理音くんってピアス…してるの?」

「うん。学校ではしないけど、実はいっぱい」



耳に髪をかけた理音くんの耳。



片方の耳に5つも穴があった。



意外すぎて、何から突っ込めばいいかわからない。



この人、普通の男の子だったのね。



お洒落とか、興味ないのかと思ってた。



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