俺様天然男子
ステキすぎるギャップに、隣の理音くんにバレないように密かにドキドキしてたら、やっと山口くんがやって来た。



「ふたりとも早くね?」

「電車、混む前に乗ったから」

「うわぁ、理音っぽい理由…」

「ギターは?」

「邪魔になるから置いて来た。一回家戻るし」

「そっか」



ギター?



お化け屋敷に必要ないよね?



「なんでギター?もしかして、理音くん、午後からバイト?」

「ううん、うちで練習するんだって」

「へぇ、理音くんも何かするの?」

「…………内緒」



そう言って照れた顔がもう…神。



今日の理音くん、あたしの心臓の破壊神。



死神降臨。



ドキドキしすぎて不整脈起こすかも。



「おはよー。うわっ‼︎どうした、理音‼︎」

「普通にしてみた」

「ウケる。マジで別人。ずっとそのままいればいいのにー」

「紗雪も髪の毛違う」

「暑いからね」

「可愛いね」

「理音に言われたくない。嫌味にしか聞こえないー」



理音くんって、誰にでも『可愛い』って言うのかな…。



まぁ、紗雪は本当に美人だしね…。



好きな人が友達を褒めるのって、結構傷付くかも…。


< 113 / 640 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop