俺様天然男子
手術室ではカルテが手術台の上に寝てる患者の上に置いてあり、もちろん驚かされ。



ナースステーションでは、お化けナースにカルテを渡すと、理音くんの手をガシッと掴まれて。



渡されたお花を、霊安室に持ってって。



その間、廊下で何かに追いかけられたり、大きな音にビックリさせられたり。



訳がわかんなくなるほど泣いて、叫んで。



やっとゴールにたどり着いた時は、生命力が底をつきそうになっていた。



「あははっ、怖かったね」

「笑えないからぁ…」

「大丈夫?飲み物飲んで落ち着いたら?」

「も、ない…」

「じゃあ…待ってて。買ってくる」



少し離れた場所で、涙を止めるために落ち着こうとしても、やっぱり涙が止まらない。



理音くんが自販機で買って来てくれた、あたしの好きなカフェオレ。



優しい…。



「あり、がとぉ…」

「よしよし」



撫でられた頭で、涙がピタッと止まった。



手だけじゃなく、頭まで撫でられたっ…。



< 118 / 640 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop