俺様天然男子
しばらくしてから落ち着いたみんなが、やっと部屋を見回した。



「なんだよ、この部屋っ‼︎」

「やべぇ、ここで録音してんだろ?」

「み、見ろよ…お宝がたくさんじゃ…」

「お高いギターにお高いスピーカーじゃね」

「これはなんじゃろうな、タカじいさんよ」

「ワシにはわからんよ、スバルじいさん」



現実逃避し始め、一気に老けたらしい。



進まなそうなので、スバルをドラムの前に座らせ、タカにベースを持たせた。



その姿を見た嵐生が、慌ててギターを取り出して。



「文化祭出るんでしょ?なんの曲やるの?」

「そ、そうだった‼︎俺的に今熱いのは『バースト』かなって。ノれるし、有名だし。なにより、バーストできたら超かっけぇ‼︎」

「ヤダ」

「なんで?」

「それ、父さん」

「「…………はぁ⁉︎」」

「俺の、父さん。バーストのウタ」

「うっそ…。じゃあ…ここって…ウタの部屋…?」

「うん」

「「きゃぁぁぁぁぁ‼︎」」



お化け屋敷よりうるさいよ…。



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