俺様天然男子
それから、今日の話をした。



お化け屋敷の話や、その後の話。



俺がボーカルだなんて、恥ずかしくて言い難かったけど。



「聴いてみたいな、リトくんの歌。あたしね、リトくんの声、好きなんだよ」

「歌うのが好きなだけで、そんなにうまくないよ」

「でも、ボーカルなんでしょ?」

「うん」

「文化祭、楽しみにしてるね」

「しなくていいよ。見なくていいし…恥ずかしいから…」

「なんか…幸せだなぁ…。こんなにリトくんに近くなった」



フワッと心に暖かい温もりを感じる。



雛森の、そういうとこがいい。



あの意地悪クズ女みたいな、性格の悪いとこが見えない。



「俺ね、雛森と一緒に帰ったり、放課後にデートしたり、そういう普通のことがしたい」

「ふふっ、女の子みたいなこと言うね」

「そうなの?でも、きっと嬉しくなるんだ。雛森も、やりたいことがあれば言ってほしい。雛森が嬉しいと、俺も嬉しい」

「理音くんっ…。もうね、おなかいっぱいです…」

「食べすぎたの?」

「そういう意味じゃないけど…そうだね。ごちそうさまです」



なにが…?



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