俺様天然男子
風呂上りでストレッチしてる。



「どうかした?」

「明日早い?」

「ううん、そんなに早くないよ」

「俺の友達に…やる気を出させてくれるとありがたい」

「どうやって?」



兄妹会議を終えて、泉を部屋に連れて来た。



急に背筋が伸びた嵐生の顔が赤い。



「お疲れ様です」

「おつ、お疲れっ、様です…」

「お勉強、偉いですね」

「俺…バカだからさ…」

「ここ、間違ってますよ?dじゃなくて、bです」

「は、はいっ‼︎」



泉に勉強を教えてもらう作戦は大成功。



驚異の記憶力を発揮した嵐生は、さっきとは別人のように暗記しまくっていた。



「すごぉい‼︎実はやればできる子じゃないですか、嵐生さん」

「俺も…びっくりです…」



赤点は回避できるくらいの成績は取れるだろうと予想して、泉を部屋に戻した。



抜け殻になってる…。



「頭良くなった、俺…」

「よかったね」

「イズミちゃん、可愛すぎる…。顔とか、こんなじゃね⁉︎」

「それ、人間じゃないサイズ…」

「めっちゃいい匂いした…」

「…………風呂、入ったら?」

「ま、まさかっ、イズミちゃんが入った…」



気持ち悪いよ、嵐生…。



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