俺様天然男子
【由乃】



急遽理音くんと会えることになったあたしは、張り切って働いた。



オープンしたばかりのカフェは、オシャレな店内と美味しいコーヒーや料理のおかげで大盛況。



疲れたぁ…。



「お疲れ様でしたー」



お店が落ち着いたお昼のピーク過ぎ、やっと終わった。



すぐに駆け込んだ女子更衣室で、スマホを見る。



『近くの本屋で時間潰してるね』



理音くんからのメッセージに、テンション急上昇。



今日は夕方からのシフトの紗雪とは会えないまま、急いで着替えた。



制服でかぶる、ハンチングのせいで、髪がペタンコだ。



どうしよ…。



「お疲れー」

「お疲れ様でした。佐藤さんって、髪の毛どうするんですか?」

「スプレーでシューってやるよ?バイト終わりの頭、悩みだよね。使う?」



大学生の佐藤さんが貸してくれたのは、暑い日に使う髪用のスプレーだった。



汗かいた時とかにも使うヤツみたいで、冷たいスプレーが、気持ちいい。



「これ、いいですね」

「普通にドラックストアで売ってたよ」



買って帰ろう。


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