俺様天然男子
いつもはおろしている髪は、バイトでポニーテールにしていたせいでクセがついていておろせない。



ペタンコになった前髪だけは、佐藤さんのおかげでマシになった。



「お疲れ様でした‼︎ありがとうございましたぁ‼︎」



佐藤さんに再度お礼を言ってから、お店の外に出た。



理音くんに送るメッセージ。



『今出たよ。まだ本屋さん?』



そう送れば、返事はすぐにやって来た。



『そこにいて。すぐ行くから』



近くの本屋さんって、本当に近くだったみたい。



道の向こうから、スタイルのいい一際目を引く男の子。



あたしを見つけると、花が咲いたような笑顔を見せてくれた。



「お疲れ」

「理音くんもお疲れ様」

「雛森、ご飯食った?」

「ううん、今からだよ。理音くんは食べちゃった?」

「そうかなぁと思って待ってた」



きゅん…。



ヤバイ、あたしの彼氏…。



なんていうのかな…理想の人って感じ?



この優しさがたまらなく好き。


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