俺様天然男子
いつものように手を差し出される。



その手を握ると、理音くんが嬉しそうに笑うから…。



幸せ…ごちそうさまです…。



「なに食べたい?」

「理音くんは?」

「俺はねぇ…冷たいヤツ?」

「冷たい…おそばとか?冷やし中華か、冷製パスタ?」

「んー…カレー食いたい」

「あははっ‼︎全然違うのになった‼︎」

「雛森は?カレーでいい?」

「うん、今なら何でも食べられる‼︎」



全国にある、チェーン店。



涼しい店内で、熱々のカレーを食べた。



「髪、可愛いね」

「バイトで帽子かぶるから髪の毛ペタンコになっちゃうの」

「バイトしてる雛森も見たい」

「恥ずかしいからダメ。理音くんがお客さんで来たら、絶対お皿割っちゃう」



一緒にいるだけで楽しいなぁ…。



この雰囲気が、やっぱりいちばん好きだと思う。



「宿題やった?」

「うん、終わったよ。読書感想文も前に読んだ小説で書いちゃった」

「すごいっ…。あたし、まだ半分以上残ってる…」

「あっ、そういえば嵐生が追試合格したって。さっき浮かれて連絡して来た」

「よかったね。さすが理音くんが教えただけある。あたしにも教えて欲しいよ…」



でも、理音くんが先生になったら勉強にならなそう…。



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