俺様天然男子
いやぁ、理音くんだからなぁ…。



なにも考えてないんだろうなぁ…。



これはもう、あたしもなにも考えなくていいんじゃない?



「お邪魔します」

「部屋、掃除しときます」



どんなとこに住んでるのかな。



音楽関係のもの、たくさんあるのかな。



「で、今からどうする?」

「ドラックストア行きたいの」

「付き合うよ」



髪用のスプレーを買った。



理音くんは真剣にボディーシートを見てて、男用のは匂いが好きじゃないとか、冷たくなるヤツが欲しいとか。



「もしかして、暑いの苦手?」

「うん、冬の方がいい。汗かくの嫌い」

「スポーツもしない?」

「汗かかなきゃしてもいい」



やっぱり理音くんは理音くん。



暑いのが好きじゃないってことはよくわかりました。



こうやって、いろんな理音くんを知るんだろうな。




嬉しいなぁ。



あたしが独り占めしちゃってるんだよね?



そう思えば、気分はたまらなくいい。



その日、初めて家まで送ってもらった。



帰り道で『メガネ買おうかな』とか『髪切るよ』とか。



たくさん話した。



< 155 / 640 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop