俺様天然男子
それだけで嬉しくて、ニヤケそうになる顔を必死で我慢する。



「これとこれ、どっちが限定か…わかる…?」



とてもいい声…。



好きだな、やっぱり…。



いい声じゃないのかもしれない。



今のあたしは恋の魔法にかかっているのだと思うから。



彼の全てが良く見えてしまうのだろう。



「ごめん、わかんないか」

「わ、わかるよっ‼︎こっちが、期間限定‼︎」

「ん、どーも」



カゴに入ったチョコ。



立ち上がった彼は、スタスタとレジへ。



喋ってしまった…。



もう、思い残こすとはないかもしない…。



立ち尽くすのも変なので、何事もなかったふりをして、お気に入りのカフェオレを手にした。



店員が1人しかいない店内で、大きな彼の後ろに立つ。



いい匂いがする…。



この人、何者なのかな…。



オタクでもなく、ブサイクでもなく。



清潔感があって、こんなにステキな匂いがする。



好き…だなぁ…。



< 16 / 640 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop