俺様天然男子
頭の中が痺れる。



なんだか、ずっと憧れてた歌手に目の前で歌われているかのような、そんなドキドキ。




理音くんが吸う空気ですら、まるでひとつの言葉のよう。



目が離せない。



あたし、絶対顔が赤い。



顔を手で押さえると、理音くんがまた笑うから。



恥ずかしいと言ったのは理音くんなのに、あたしの方が恥ずかしくなる。



あたし、この人を嫌いになることって…一生ない気がするよ。



「はい、終わり」

「す、すっごく…よかった…」

「大丈夫?顔、真っ赤」

「だって‼︎カッコよすぎ‼︎やっぱり卑怯者‼︎」



あっ、動画撮っておけばよかったよっ‼︎



なんでただ聴いてたの⁉︎



「もったいないことしたぁ〜…。動画撮っとけばよかった…」

「ヤダよ、恥ずかしい。撮影禁止」

「じゃあ…また歌ってくれる?」

「今度ね」



もうね、メロメロ。



こんなにかっこいい人、世の中探しても滅多にいないと思う。



< 172 / 640 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop