俺様天然男子
すごく気分がよかった。



工藤さんには、あたしに遠慮せずにデートでも旅行でも、好きなことしてくれとお願いをして、ひとりで家に帰って。



今日は思う存分、ふたりの時間を楽しんでもらいたかったから、タクシーを呼んでもらい、ひとりで帰って来た。



「もしもし、理音くん?」

「どうだった⁉︎心配でバイトでわけわかんないこと口走っちゃったよ…」

「すごく、いい人だったよ。お母さんより年下で、イケメンだった」

「えぇぇぇぇ…。それって未来のお父さんに雛森取られちゃうの?」

「あははっ、それはないよ」



理音くんも心配してくれてて、いい報告ができてよかった。



あんな楽しそうなお母さん、初めて見たよ。



これから、もっと笑顔が増えるといいな。



「あっ、髪切ったよ」

「どれくらい?」

「美容室で『カッコよくしてください』って言ったら、内側ツーブロックになったね」

「ウソっ⁉︎見たいっ‼︎」

「次会うの、夏祭りだから、その時ね」



あたしも理音くんに会いたいよぉ。



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