俺様天然男子
俺の家は賑やかだ。



「おかえり、理音(りと)」

「ただいま」

「今日、詩(うた)くんのバンドメンバー集まるんだって」

「そ。わかった」



これ、母親。



背が低く、天然の母は、見た目がとても若く、背の高い俺と出かけるとカップルに間違えられる。



ちなみに専業主婦。



そして詩とは、俺の父親で、そこそこ有名なバンドの歌担当。



そうか、集まるのか。



また騒がしくなるなぁ…。



「お兄ちゃん、CD貸して欲しいんだけど」

「いいよ、ちゃんと返してね?」



これは妹。



年子で一つ下の高校1年。



小さな頃から芸能活動をしていて、家にいないこともしばしば。



仲は悪くない。



「お兄ちゃんさぁ、髪切ったら?せっかく綺麗な顔なのにもったいない」

「静かに過ごしたい」

「どうしちゃったのかなー。うちの家系で目立つの嫌いなの、お兄ちゃんくらいだよね」

「そうかもね…」



目立ちたくない。



そんな理由で、髪を伸ばしている。



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