俺様天然男子
学校に行けば、文化祭の華やかな雰囲気。



午前中にパンを売らなきゃならなくて、午後からはステージ発表のリハーサルなんかをするらしい。



「文化祭だからと言って、あまり羽目を外さないように」



って、担任が言ってるけど、基本的に誰も聞いちゃいない。



さっそく準備で、ビニールに包まれたパンをカゴに並べる。



「手伝うよ」

「ありがとう、雛森。これ、うまそう」

「昨日、頑張って作ったんだから、ちゃんと売ってね?」

「接客、嫌い…。俺もパン作ればよかった…」

「理音くん、料理上手だしね」



雛森と一緒に作業して、家庭科で作ったクラス全員お揃いのエプロンで。



校内放送で文化祭の始まりが告げられた。



「天道、お前はこっち」

「えっ?なんで?俺、売るんじゃないの…?」

「ここに立って、『買ってってね』って言ってくれりゃあいいからさ」



なぜか、教室の前に立たされた。



看板を持たされて、保護者や他校の生徒が校舎内に入って来た。



「パン屋さんですかぁ?」

「うん、買ってってね」

「はぁい‼︎」



なんとも楽な仕事…。



でも、女の人ばっかりだなぁ…。



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