俺様天然男子
嬉しいんだよね。



みんながすごくて。



嬉しいの。



「じゃー、次で最後ですね。3年の先輩たちが待ってるらしいんで、サクッと終わらせて、前座は下がらせてもらいますねー」



なぜそんなことを言ったのかわからなかったけど、今の山口くんは、何を言っても受けるようで、最後にいちばん有名な曲をやったみんなは、満足げな顔をしていた。




理音くんは歌った以外に『うん…』と言っただけだったけど、最後にペコッと頭を下げてステージを後にした。



もうね、なんて言えばいいかわからないよね。



この感情の高ぶりを、言葉にできない。



「理音くんって何者…?」

「ごめん、由乃。ファンだわ…」



あたしも、すごくファンだよ。



周りの熱が全然冷めなくて。



だけど、次が待っていた。



3年の軽音部。



大本命らしい。



ちょっとイライラしてる気がするけど…大丈夫…?



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