俺様天然男子
抑えなきゃ。



わかってるのに、頭が混乱する。



欲望と、常識や気遣い。



やめろと、ダメだと思っているのに…。



「雛森、俺…やめらんなくなりそうだから…本気で殴っていいよ…」

「そ、そんなことできない…」

「嫌いになるって、言って?」

「嫌いに…ならないよ。あたし、理音くんになら…理不尽に殴られても嫌いになれないと思う…」

「ははっ、そんなこと、絶対しないよ。もう…起きてご飯食べに行こうか」



雛森の腕を引っ張って、体を起こした。



ギュッと抱きつかれて、俺も抱きしめ返して。



変な雰囲気にしないように、気を付けようと心に誓った。



「何食べる?」

「焼き魚…」

「えぇぇぇぇ…どこで食えるかなぁ…」

「ウソです…。困らせてやりたかっただけです…」

「うわっ、意地悪雛森だ…」

「いいんだよ。いつも意地悪されてるから。たまには仕返し」



うん、大事にしなきゃ。



お触りダメ、絶対。



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