俺様天然男子
その日、夕方まで雛森と過ごした。



家に送って、帰ろうとすると、マンションから出て来たキレイな人。



「由乃?」

「あっ、お母さん」

「えっ、もしかして…いつもデートしてる彼氏?」



お、お母さん…。



若いし、すごく美人。



クラブのママだって言ってたっけ。



長くてパーマのかかった落ち着いた色の髪に、ほっそりとした体型。



笑うと、雛森に似てる気がした。



「初めまして、天道っていいます」

「由乃から噂は聞いてるよ。女の子みたいに美人ねぇ。女装してうちで働かない?」

「男です、俺…」

「ふふっ、からかった。送ってくれたんでしょ?ありがとね」



気さくなお母さんと話していたら、一台の車がすぐそばに止まった。



そこから出て来たのは、スーツ姿の出来る男を連想させるイケメン。



「おっ、由乃ちゃん。久しぶり」

「お久しぶりです、工藤さん。もしかしてお母さんとデートですか?」

「うん。由乃ちゃんも行かない?あっ、彼氏…?」

「そうです。デートの邪魔になるんで遠慮しますよ」




この人が…雛森のお父さんになるかもしれない人…?



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