俺様天然男子
頭を下げた。



「すっごいカッコいいねぇ。今からご飯食べに行くんだけど、一緒にどう?」

「あっ、いや…」

「由乃ちゃんも行こうよ。ホテルビュッフェだしさ」



なんだか押し切られるような形で、一緒にご飯に行くことになった。



雛森と離れる時間が短くなるのは嬉しいけど…。



彼女の親と、その恋人とご飯は、人生経験の少ない俺にとって、かなりのハードルの高さ。



緊張するよ…。



高級車の後部座席。



隣の雛森は、申し訳なさそうにしているけど、大丈夫だという想いを込めて笑っておいた。



「理音くんっていうの?」

「はい」

「モテるでしょ。由乃、ライバル多そう」

「モテないです。基本、根暗なんで」

「あははっ、見えない見えない。それで根暗とか、詐欺だよ」



本当のことなのに…。



急遽決まった試練、どうにか乗り切ろうと思う。



変なこと言わないように、気をつけるね。



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