俺様天然男子
でもね、理音くんのお荷物にはなりたくないなって思うの。



だけど、離れることは…考えられない。



先のことなんてわからないけど…理音くんはきっと、大物になるんだと思う。



あたしも、隣にいて恥ずかしくない人間になりたいな…。



「雛森って、年越しどうするの?」

「えっ、何も考えてなかったけど…」

「嵐生が、みんなで集まって騒ごうって。レンタルスタジオ、年末年始はしばらく開けないらしいんだよね」

「あっ、カフェもだよ。31日と1、2日はお休みだって」

「一緒にいられるかな?」

「お母さんに聞いてみるね。工藤さんのご両親にも会って欲しいって言われてるから」

「そっか、雛森が雛森じゃなくなるのかぁ…」

「だから由乃って呼んでって言ってるのに」

「うん」



返事をした理音くんの顔が赤くなる。



本当に可愛いんだから。



でも、理音くんから呼ばれる『雛森』も実は好きなんだよね。



どちらも捨てがたい…。



「明日、修学旅行の班決めするって」

「雛森と同じがいい」

「あたしも。よかった、理音くんと行けて」



うちの学校は2年生の2月に修学旅行がある。



このクラスでの、最後の思い出作り。



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