俺様天然男子
グループで話していた途中、その輪から抜け出して向かう先は天道くん。



「お、おはよう‼︎」

「…………おはよ?」

「この前、カフェオレありがとね」

「カフェオレ…?」



グループの女の子たちが、怪訝な表情をしているのがわかる。



『なんで話しかけてんの?』って、みんなそう思ってる。



わかってるよ。



でも、あたしは紗雪に背中を押してもらったもん。



「コンビニで買ってもらったヤツだよ」

「あぁ、同じクラス…。名前…」

「ショック…。このクラスになってもう、結構経つのに」

「ごめん…」

「あたし、雛森(ひなもり)由乃だよ。ちゃんと覚えてね?」

「雛森さん…わかった。天道 理音です」

「あははっ、今更自己紹介?」



体が喜びで震えそう。



名前すら覚えてもらえてなかったショックよりも、あたしの名前を天道くんにインプットした事実の方が大きい。



あたしって、何気にポジティブだったんだね。



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