俺様天然男子
『いてぇよ‼︎』と声を上げた嵐生に、やめないスバル。



「どこの組織だと聞いている‼︎まさか…リトダニアか…?」

「いえ、タッカーノ一味です…」

「なにっ⁉︎アイツ…よくも俺を裏切ったな‼︎」

「頼む、助けてくれ…。寝起きでこの茶番はキツすぎる…。命だけはっ、俺には妻と子どもがいるんだっ‼︎」

「ふっ、命乞いか…。俺は優しい男だ。一緒にタッカーノを抹殺すると誓うならな…さぁ、俺について来い。まずは朝飯だ‼︎」



って言う茶番を、ゲラゲラ笑いながらタカと眺めた。



ほんと、おもしろい。



飽きないよ、みんなといるの。



「おはよ、みんな。いっぱい食べてね‼︎」



母さんが優しい笑顔で迎えてくれて、さっきのやり取りを思い出してまた笑った。



遅い朝ごはん。



口がヒリヒリすると言いながら、嵐生がスバルの頭をペシっと叩く。



「いや、口は俺じゃねぇし‼︎理音だから‼︎」

「お前かよっ‼︎」



痛いなぁ、もお…。



でも、やっぱり楽しい。



この日を境に、全員が全員にいたずらを仕掛ける隙を狙うことになるとは思ってなかった。



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