俺様天然男子
みんなが音を出し始める。



理音くんは何かをいじってて、よくわからない。



「嵐生、ピッチ合ってない」

「えっ?マジで?」

「微妙に、合ってない」

「お前すげーな…」



なにがすごいのかわからない。



とにかく、何かが違うらしい。



「あっ、そのマイク…」

「いいでしょ?お気に入りなんだよ」



嬉しい…。



あたしがあげたマイク、使ってくれてる…。



顔がニヤける。



「新年、あけましておめでとうございます。えっとー今日は楽しんでってください」



山口くんがそう言ってから始まった、聞いたことのない曲。



楽しそうな理音くんは、前よりも伸び伸びしてる気がする。



「誰の歌かな…」

「わかんない」



何度聞いても流暢な英語と、日本語が混ざった音楽は、音楽に詳しくないあたしが聞いてもロックだと思った。



やっぱりマイクを持つと人が変わる理音くんは、頭を振ったり飛び跳ねたり。



それが絵になるからまたカッコいい。



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