俺様天然男子
蕾さんを見送ると、ギュッと手を握られて理音くんの部屋。



「やっとくっつける…」



えっ…?



今までくっついてなかった…?



あたしの勘違い?



みんながいてもお構いなしであたしを収納してなかった?



抱きしめられた腕の中。



「初詣は?」

「行くの?」

「行かないの…?」

「行ったら由乃のこと家に送ってバイバイじゃん…」

「う、うん…」

「帰したくない…」



きゅーんと胸が痛む。



可愛い、理音くん…。



「初詣行くからさ、その前に…」



ドサっと背中にベッドの感触。



一瞬の出来事で、頭がついていかない。



「食べさせて、由乃…」



あたしを上から見下ろし、スーッと親指が唇をなぞる。



真剣な顔の理音くんに、体が熱くなるのを感じた。



あたしって、絶対理音くんに飼い慣らされてる…。



だけど…。



「い、痛いの、やだ…」

「痛くしないように頑張るよ」

「絶対?」

「うん」



有言実行の男、理音くんを信じてみようと思い、全部を委ねる。



前回のように激痛ではないものの、この圧迫感には到底慣れそうにない。



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