俺様天然男子
じいちゃんが、ずる賢く生きることも大事だと教えてくれた。



だから俺は、自分の武器を最大限に利用するよ。



屋上撮影の許可が出たのは、修学旅行の前だった。



まず、楽しんで来なさいと。



終わればライブが待っている。



夢のために、本気でやらなきゃ。



まずは修学旅行。



朝早くからバスに乗り、空港で飛行機に乗って…あったかい島にやって来た。



「理音くん、来たことある?」

「あるよ。旅行はヒマな時父さんが連れてってくれたから。海外もよく行ってたけど、最近は泉が忙しいからね」

「そっか。あたし、初めて。やっぱり、あったかいねぇ」



今日の由乃は髪を結んでて、ちょっとヤダ…。



撫でられない…。



いつもおろしてるくせにぃ…。



「なんで今日、ポニーテール?」

「あっ、理音くん避け…です…」

「なっに…⁉︎」

「だってすぐに撫でるんだもんっ‼︎こうしてたら撫でられない…から…?」



最近学校でも撫でまくってたからだろうな…。



ついに警戒されてしまった…。



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