俺様天然男子
それにしても…。



「由乃?」

「なぁに?」

「どうしたの?由乃らしくないよ?」

「あのっ、理音くん…怒ってたから…?」

「怒った…?」

「どうすればいいかって、友達に相談したら…甘えたら?って言われて…」

「あははっ‼︎怒ってないよ」

「だって‼︎朝まで寝かさないとか…」



まぁ、それは願望だし。



ドロドロにするだけで、実行はしないよね。



だって、由乃の嫌がることはしたくないもん。



「冗談だよ」

「ほ、本当…?」

「うん、俺は由乃のこと、いじめたいわけじゃないしね」

「じゃあ…仲直りする…?」

「するよ」



ギュッと抱きつかれた。



こんな道端で由乃が抱きつくなんて珍しい…。



それほど堪えたってこと?



なんて可愛い…。



軽く抱きしめ返して、体を離して手を繋いだ。



「今だけ、ね?」

「うんっ‼︎」



やっぱり、由乃以外どうだっていいや。



この可愛い生き物は、きっと俺のことが大好きなんだと思う。



俺はそれ以上に好きだけどね。



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