俺様天然男子
挨拶もできぬまま、その姿を眺める。



それは音楽部屋で開封されて。



「んなぁ‼︎ヤバイヤバイ‼︎ありがとう‼︎」



音楽部屋が、新しい機材に交換。



よくわからないけど、理音くんの喜びが尋常じゃないから、すごいものなんだと思う。



「俺、あんまりここ使わないから理音にあげるよ」

「父さん、大好き」

「俺もだよぉ」

「みんな呼んでいい⁉︎」

「いいんじゃない?あっ、もうすぐドラム来るからねー」

「みんな、大好き‼︎」



可愛がられている理音くんが、音楽の道に進んだことを嬉しく思ってのプレゼントだったらしい。



理音くんが山口くんたちに連絡をすれば、すぐにやって来たみんな。



「「…………」」

「なんだよ、最近のワケェ奴らは挨拶もまともにできねぇのか?」

「「初めましてっ‼︎よろしくお願いしますっ‼︎」」

「ははっ、元気だなー、コーコーセー」



みんながファンのバーストを目の前に、ものすごくガチガチになってる。



あたし、さっきからなにも喋ってない。



蚊帳の外。



でも、理音くんの喜びが可愛くて、見てるだけで満足しちゃう。



「由乃‼︎音聞いてみて‼︎」



音楽部屋に連れて行かれて、始まった演奏。



今までのと違う気がするのは、古いスピーカーなんかが、新しくなったせいだろう。



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