俺様天然男子
幸せそうだなぁ。



いいね、楽しそうだよ。



「由乃ちゃんっつーの?」

「あっ、はい」

「大変だな、アイツの相手。天然じゃね?」

「天然ですね…。でも、可愛くて好きです」

「ははっ、なんかわかる。理音とお似合いだよ」

「そ、そうですかねぇ…」

「見捨てないでやってくれな?」

「見捨てる?あたしが、ですか?」

「あぁ。根っからの音楽バカだから、放置されたりすっかもしんねぇし、もし、有名になったら忙しくて構ってもらえなくなるかもしれない」

「はい」

「それでも、支えてやってくれたら、俺らは嬉しいよ」



あたしが理音くんを支える?



逆だよ、きっと。



理音くんに支えてもらってるんだよ、あたしが。



生活の真ん中に理音くんがいる。



だからあたしは幸せで、楽しい日々を過ごせているんだと思う。



「ありがとうございます」



なんとなくお礼を言うと、音楽部屋から連れ出されてリビングのソファー。



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