俺様天然男子
楽しいな、最近。



「紗雪ちゃん、可愛いよな」

「誰、それ」

「お前、マジかよ…。あの子‼︎今日ラーメン食いに行く子‼︎」



あっ、雛森さんの友達か。



唯一話しかけてきた女子、雛森さん。



その友達から、山口くんがラーメンに誘われて…なぜか俺も一緒に行くことになったんだ。



クラスメイトとラーメンを食べて帰ると言ったら、母さんはうるうるしてたけど。



寂しいのかと聞けば、嬉しいのだと。



俺に友達がいないからだろう。



そんなに心配させてたなんて、気がつかなかった。



『理音はそのまま、理音でいい』と言ってくれていたから、好きでひとりでいたけど。



ごめんね、と、心の中で謝った。



だけど、なんで俺と行くんだろ。



ご飯を食べることに、意味があるのか?



んー…、よくわからない…。



「由乃ちゃんも可愛い」

「由乃?」

「雛森由乃。なんだろ、美人より可愛い系?そんなふたりとラーメンなんて…浮かれますよ、俺」



浮かれるんだ…。



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