俺様天然男子
欲求不満か…。



そうかもしれない。



就職組になったあたしたちは、紗雪以外なんとみんな同じクラス。



進学校で、就職クラスが1組しかないからなんだけどね。



紗雪は進学だから隣のクラス。



休み時間のたびに遊びに来る。



まぁ、あたしたちのクラスにはめっきり大人しくなった愛花もいるんだけど、彼女は学校に来たり、来なかったりを繰り返している。



「由乃?次、抜けようか?」

「えっ?」

「読研のカギ、借りてくるよ?」

「あっ、大丈夫…。お泊まり、また今度でいい…」



こういうことかな。



『忙しくて構ってやれなくなる』って、前に理音くんちで言われたこと。



住む世界が違うのかな…。



なんて、ウジウジ悩んでも仕方ないんだ。



だってね、どう頑張っても、あたしは理音くんのことを嫌いになれないし、この隣を誰かに譲るつもりもないんだから。



「理音くん?」

「なぁに?」

「浮気しないでね?」

「するわけないでしょ。由乃のこと持ち歩きたいくらいなのに」



早めにチューしよう。



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