俺様天然男子
理音くんの行動は、基本的にあたしを思ってすること。



「抱っこして…?」

「珍しい」



部屋の鍵をかけた理音くんが、ベッドに座るあたしを膝の上に乗せてくれた。



ギュッと抱きつくと、優しく背中をさすられる。



「もっとワガママでもいいのに…」

「本当?じゃあ、由乃のベッドに寝ていい?」

「は…?」

「由乃の部屋着ちょうだい?毎日抱っこして寝るから。あっ、枕でもいいよ?」

「だからそういう気持ち悪いことじゃなくて…」

「由乃の匂い、大好きなんだもん…」

「ホント、変態だよね…」

「俺、由乃に振られたらストーカーになるね?あっ、その前に監禁しちゃえばいいのか。由乃のせいだからね?由乃が俺を変態にしたんだから」



そんなこと言われても…。



どっかおかしいよね、理音くんって。



今の理音くん、俗に言う『残念なイケメン』ってやつだよ?



あたし、理音くんを変態にした記憶もないんですけどね…。



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