俺様天然男子
そんなことより。



「ねぇ理音くん、チュー…していい?」

「あはっ‼︎耐えられなくなったの?」

「うん。もうムリ」

「どーぞ?」



少しだけしたキス。



恥ずかしい…。



でも、やっとできたよ…。



「足りるの?それだけで」

「足り…ない…」

「だよねぇ。俺も全然足んない…」



どちらともなくしたキスは、まだ朝だなんてこと、どうでもよくて。



歯磨き粉の味がする…。



「キスだけで、いい…?由乃」

「よく、ないけど…バイト…行ける…?」

「これで終わった方が行けなくなる」

「うん…。もっと、が、いい…」

「じゃあ食べさせてあげる」

「おいしい?」

「おいしいよ、きっと」



欲求不満?



そうだったみたい。



やっぱりさぁ、あたしって絶対理音くんに洗脳されてると思うの。



心も体も。



「あぁ…おいしいのは俺じゃなくて由乃だね」



ううん、理音くんも、おいしいよ。



そう思うあたしはきっと、理音くんの虜なんだ。



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