俺様天然男子
【由乃】



バイトを辞めた。



代わりのバイトは、高校1年生が引き継いでくれたので、バイトの数は問題なさそう。



今は体育祭の練習で、久しぶりにするテニス。



懐かしい感覚なのに、体が思うように動かない。



仕方ないよね、もう2年以上やってないんだもん。



久しぶりにボールを打つ感覚。



うりゃぁ‼︎



「由乃すごーい‼︎」



サボって見ている理音くんに、歓声をあげられても、ただ恥ずかしいだけ。



そんなキラキラした目で見ないで欲しい。



あたし、そんなにうまくないんだから…。



理音くんはひとりで1500メートルを走るそうで、練習なんてものはしていない。



筋トレは毎日してて、たまに走ってるから大丈夫なんだってさ。



あぁ、体育疲れた…。



「はい、由乃。お疲れ様」



ニッコリ笑った理音くんに、ペットボトルの水を渡された。



なんだろう…逆じゃない?



普通、スポーツしてる男の子に女の子が渡すような気がするんだけど…。



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