俺様天然男子
まぁね、理音くんだからね。



あたしたちにすれば、これが正しいあり方なんだよね、きっと。



「すごいね、由乃‼︎由乃じゃないみたいだった‼︎」

「もしかして、あたしが動けない子だと思ってたの?」

「だって、こんなに細いのにスポーツやってたとは思えないじゃん」

「筋肉ないだけだよ…。何年もやってなかったから」



理音くん、嬉しそう…。



愛されてるなぁ、あたし。



体育の度にキャーキャー言われ続けて、迎えた体育祭。



見事に1回戦負けで、あたしは理音くんの応援に回る。



「リトルせんぱーい‼︎」

「足長ーい‼︎」



滅多にお目にかかれない理音くんのハーフパンツにTシャツ姿が、ギャラリーに受けている。



本人は至極めんどくさそうにしているけれど。



「理音ー、3位以内に入ったら由乃がいいことしてくれるってよー‼︎」



なんて、紗雪が勝手に言ったら、理音くんの口が『マジで…?』と嬉しそうに呟いたように見えた。



< 452 / 640 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop