俺様天然男子
いいんだろうか。



信用しても。



「俺も見たい、理音の顔」

「よ、よくないから…」

「別に俺、お前の顔で友達になったわけじゃねぇけど?」

「とも…だち…?」

「えっ、違うの⁉︎あんなに毎日一緒にメシ食って、あんなに話してんのに俺だけ⁉︎」

「いや、その…友達とか…いないから…」

「友達になってって言わなきゃ、友達作れねぇとでも思ってんのかよ。マジ笑える」

「あり、がとう…」

「ヤベッ、お前本当に可愛い…」



照れる…。



でも、山口くんの言葉は本当に嬉しくて。



こういうの、初めてだ…。



「それと、『山口くん』ってのやめろよ。嵐生でいいし」

「えー、じゃああたしも呼び捨てでいいよ。由乃もだよね?」



こくこくと頷く雛森さん。



山口くんは…いい人だな。



「ラン、セイ?」

「あたしは?」

「えっと…紗雪…?」

「由乃は?」

「雛森…」

「あははっ‼︎由乃だけ名字かいっ‼︎」



だって、やっと覚えたフルネーム。



紗雪の名字、知らないもん…。



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