俺様天然男子
【由乃】



理音くんたちが、大きく成長していってる。



初フェスに出てから、他にも呼ばれるようになった。



どれも地方で、見に行けないあたしと紗雪。



そして、念願のCDも出て、本当にプロのミュージシャンなんだと、不思議な感覚に陥る。



頑張ってる理音くんに、ワガママは言わないようにしているけど…。



学校が資本だからと、休みの日には仕事を入れてしまう。



デートなんて、最後にしたのはいつだったか…。



連日の曲作りと、まだ辞めてないバイトのせいか、お疲れの理音くんは休み時間に寝ることが多くなった。



このまま、もっと忙しくなるのかなぁ…。



そう思うと、嬉しい反面、とても寂しい…。



「理音くん…?」

「ん…?」

「次、移動だよ?」

「あっ、そっか…。寝るとこだった…」



疲れてるなぁ…。



学校でしか会えないから、たくさん話したいのに、それが叶わない。



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