俺様天然男子
なのに。



すごく、気になってしまった。



ひと目だけでも会いたいというか、見てみたいというか。



気になりすぎて、夜に眠れなくなって。



「お母さん」

「んー?」

「お父さんに、会ってみたい…」

「えっ…?」

「顔、見てみたい…。工藤さん、悲しむかな…?」

「悲しまないよ。あっちが連絡してくることも、ちゃんと言ってある。今更由乃があのクズと一緒に住むなんて言い出すわけないって、信じてるしね」

「会わない方が…いい?」

「由乃が会ってみたいなら、会ってみてもいいよ。でも、本当にクソヤローだからね?」



こうして、あたしは本当の父親に会う決意をした。



この家を出て、理音くんと住むことになったら、きっともう、一生会わないような気がするから。



だから、高校を卒業する前に…会っておこう。



そのことを、理音くんに伝えたくて。



だけど、理音くんはとても忙しそうで…。



言い出せない…。



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