俺様天然男子
勝手なイメージでは、もっと男らしくてオジさんで。



短髪の角刈りだったんだけど、全然違ってオシャレな人に見える。



「はじめ、まして…」

「ははっ、初めてじゃないけど。昔、一緒に住んでたし。まず、座れば?」

「失礼します…」

「堅苦しいのはやめよう。親子、なんだし」



本当にそっちの筋の人なの?



そう思うくらい、柔らかい雰囲気。



「思ってたより、可愛く成長しててビックリ」

「あたしっ、も…。オジサンじゃなくて…ビックリしました…」

「そ?これでもそこそこイッてんだけど」



テーブルの上に手を組み、あたしを見つめるその目は、やっぱり少し…普通の人とは違う気がした。



そっか。



本当に、お母さんの言ってた通りの人なんだ。



「あたしに、会いたかったとか…」

「まぁね。ずっと会いたかったよ。由布子の子どもだし、俺の子だし。他に兄弟いるけど、そんなこと知りたくないっしょ?」

「あっ、知らなくていいです」

「だよねー」



あたし、知らないところでお姉ちゃんになってたのか…。



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