俺様天然男子
お母さん、会わない方がいいって意味、会ってから理解しちゃったよ…。



「それで、由乃に好きなもの買ってあげようかと思って。もうすぐ18だからね」

「覚えてたんですか…?あたしの歳…」

「そりゃあ、はじめての子どもだからね。誕生日も覚えてるし、たまに会いたくなったし。あっ、ちなみに、俺は暴力とか好きじゃないから、由布子とはDVで離婚じゃないからね?」

「はぁ…」

「最初で最後だと思って、俺に付き合ってくれる?」

「いやだって、言ったら…?」

「えー、ムリ。パパやらせてほしい」



好きにしてください。



もう、会うこともないと思う。



結局黒塗りの高級車で移動して、ものすごーく高いバッグとか、財布とか、そういう物を買い与えられた。



満足そう…。



「じゃ、元気でね」

「あっ、お父さんも…お勤め頑張って…?」

「あはははっ、洒落になってねーよ‼︎バイバイ、由乃」



父親との対面は、こうして幕を閉じた。



お母さんはバッグを見て『さっさと死ね、クズ』と言っていたけどね。



理音くん、あたし、お父さんに会ったよ。



雰囲気が、少しだけ理音くんに似てたことは…お母さんには内緒にしておくね。



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