俺様天然男子
寝てるのか、出ない…。



浮気…?



修平さんの言葉が蘇って来て、本気で焦る。



『何してるの?寝てる?』



既読にもならないメッセージ。



寝たのかな…。



なんだか、あまり眠れなかった。



次の日、学校へ行けば駆け寄って来た由乃。



「昨日、ごめんね?寝ちゃってた。朝かけようとしたんだけど、理音くん寝てるかもって思ったらかけられなくて…」

「ううん、大丈夫」

「なんかあった?」

「…………何もないよ」

「本当?」

「うん」



意地を張ったんだと思う。



由乃が何も言ってくれないから。



だから俺も、言いたくない。



教えてやらない。



「おっはよー」

「おはよ、山口くん」

「その『山口くん』っての、そろそろやめない?由乃」

「えー、じゃあ嵐生くん?」

「そっちの方がいい」

「慣れないなぁ…」



由乃は何かを隠してるの?



それとも、言えないことなの?



ねぇ、今の俺ね、全然楽しくないよ。



「どうした?理音」

「ううん、なんでもない」

「あっ、今日バイトねぇよな?打ち合わせ入ってっから放課後事務所な」

「わかってるよー」

「ならいいけど。具合わりぃなら、保健室行けよ?」

「超元気」



俺は…どうしたらいいの?



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