俺様天然男子
ベッドに座って、ボーッとする。



忙しいことを言い訳にしてたのか、あたしは。



理音くんのこと、傷つけたよね…。



もう一回、ちゃんと謝ろう…。



「んー、いい風呂だったぁー」

「理音くん、ごめんなさい…」

「もういいって。俺も悪かったしさ」

「なんでそんなに優しいの…?」

「好きだからでしょ。由乃だって、俺のことが好きだから、俺のこと考えた末の結果だったんじゃないの?そう、自惚れたいけど」

「そう、だよ?理音くんが大好きだから、困らせたくなかった…。でも、違うよね。心配してくれたのに、何も言わなくてごめん」



ガシガシと、強い力で頭を撫でられて。



いい匂いの理音くんに抱きしめられる。



間違いは、きっと誰にでもあるけど…それに早く気づかなきゃいけない。



そう学んだよ。



「理音くん?あのね」

「うん?」

「お父さんに会ったの」

「えっ⁉︎実の父親⁉︎どんな人だった?」

「よくわかんない。理音くんに雰囲気が似てたけど…ヤクザだったよ」

「へっ?由乃のお父さんって…ヤクザなの…?」

「お付きの人みたいな、スーツの人に『オヤジ』って呼ばれてた…。なんかね、捕まるかもしれないから、その前に会いたかったんだって。100万くらいするバッグ、無理やり押しつけられた…」

「はははははっ‼︎」



もう、隠し事はないよ。



< 497 / 640 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop