俺様天然男子
俺がバイト…?



絶対ヤダ。



接客とか、絶対したくない。



「ヤダ…」

「なら、我慢して今のマイク使ってね」



マジでムリ。



自分で稼ぐ?



意味がわからない。



「泉(いずみ)だって、自分で稼いで、自分の欲しいもの買ってるしね」



妹を引き合いに出されてしまったら、何も言えなくなる。



バイト、バイト、バイト…。



「紹介してあげようか」

「バイトを…?」

「知り合いが副業でレンタルスタジオ始めるらしくて、バイト募集するって言ってたし」

「マジで…やらなきゃダメ…?」

「理音はそのままでもいいけど、もう少し、社交性を身につけるべきだよ」



まさかの父さんの発言で、俺はマイクのためにバイトをする羽目になった。



静かな放課後、誰にも邪魔されない読書の時間…。



それがなくなるのかと思うと、引きこもってしまおうかとすら考えた。



だけど、さすがにそこまで両親に迷惑かけられないよね…。



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